皆さんは「プロカメラマン」って聞くと、どんな人を想像しますか?
- 大自然の風景や動物を撮る人
- 綺麗なモデルさんを撮る人
- カタログや本などに掲載する商品やお店の様子を撮る人
いろいろなカッコいいカメラマンがいますが、私もプロカメラマンなのです。
どんな写真を撮るカメラマンなのか?
「学校行事や発表会のステージ」などを撮るカメラマンです。
「町の写真館」は身近なプロカメラマンの職場です
皆さんは「町の写真館」で家族写真を撮ってもらったことは有るでしょうか。
結婚式場でスナップ写真や記念の集合写真を撮ってもらったり、婚礼衣装で前撮りしたりしますね。
「大きなカメラショップ」のスタジオで「七五三」や「ひな祭り」「端午の節句」などの子供の写真を貸衣装込みで撮影してもらうのは普通の事になっています。
ここで写真を撮っている人たちは身近なプロカメラマンです。
- 私は写真スタジオから依頼されて写真撮影する「フリーのカメラマン」です。
- 例えば入学式、卒業式、修学旅行、キャンプなどの学校行事は同じ地域では同じ日程で重なってしまうことが多いので、写真スタジオ専属のカメラマンだけでは人数不足で間に合いません。そんな時に私のような「フリーのカメラマン」に声がかかり現場一つの撮影を任せて頂きます。
- 大きな行事でカメラマンがたくさん必要な時などのお手伝いもします。
入学式や卒業式は大変です
最近の保護者の皆さんはカメラやビデオ、スマホなどを駆使してお子さんの画像を残そうと一所懸命で、私のカメラやレンズより高価な機材で撮影している方も見かけます。
小学校の入学式・卒業式は体育館などで行いますが式の途中の写真撮影はしません。式が終わってからの集合写真がお仕事タイムになります。
- 式が始まるまでにカメラ機材、三脚、「ひな壇」をステージ近くの出入口外に準備します。
- 式が終わって来賓の方々が退場されたのを見計らって準備を始めます。私は「式」でしか着ないスーツを着ます。
- ステージ前に生徒と担任教師、校長先生用の椅子を予め決めた数並べます。カメラの位置を決めて三脚に固定します。
- その後ろにアルミ製の「ひな壇」を組み立てます。アルミですが結構重いです。この時点で汗だくです。
- 担任教師、校長先生は左右に座って頂いて、残りに新入生が座ります。
- 椅子の新入生の頭と頭の間に入るように、新入生に立ってもらいます。
- 立っている新入生の後ろの頭と頭の間に入るように保護者に立ってもらいます。
- その後ろの「ひな壇」一段目に、前に立っている保護者の頭と頭の間に入るよう保護者に立ってもらいます。
- 「ひな壇」二段目も同様に前の人の頭と頭の間に入るように立ってもらいます。
- 全員並んだら、前後に人が重ならないように全体を見まわして調整します。重なると顔が映りませんから調整は大切です。
- 「マスクを外してポッケにしまってください。外したらおしゃべりはしないでください。」
「前に座った子は手を軽く握ってニャンコの手にしてお膝の上に置きましょう。お膝を付けて伸ばしてください。」
「立ってる子は背筋をピンと伸ばしましょう。」保護者は勝手にして下さいです。 - カメラは「JPEG」ではなくて「RAW」です。レタッチ前提です。
3枚から5枚程度、なるべく早く撮影します。 - ひとクラス終わったら、次のクラスと入れ替えて(5.)に戻る。
- 終わったら急いでひな壇を片付けて車に運びます。
- 終了。ぜえぜえ息が上がってます。
「ニャンコの手」は小学校入学式用ですね。他は普通にお話しします。
とにかく、さっさと撮らないと後の行事に影響します。
今年の卒業式で初めて見かけましたが中学校卒業生女子に数名「袴」がいました。
背が高かったので先生かと思いましたが、よく見たら「若い」のです。卒業生でした。
高校の卒業式は制服ですが、小学生は「中学の制服」が一般的でしたから驚きました。
大学卒業式女子と中学卒業式女子の間で「袴争奪戦」が行われるとか、時代は変わったものです。
楽しい修学旅行
学生は修学旅行に多くて3回参加します。
卒業年度の担任になった教師はその都度年に1回修学旅行に参加します。
校長先生は定年まで毎年1回修学旅行に参加します。
「写真スタジオのカメラマン」と添乗員さんは毎年複数の学校の修学旅行に同行します。
カメラマンは、どの先生より多くの修学旅行を経験するなんだか不思議なお仕事です。
私も何回か修学旅行に同行しましたが不思議な体験です。
この地域の修学旅行は「京都一泊」が標準でしたが、今は流行り病の影響で県内旅行が一般的になりました。
京都修学旅行に同行するカメラマンには「鬼門」が2か所存在します。
金閣寺
- 集合写真を撮るスペースが入口直ぐの池の前にしかない。
- スペースが狭いので全員ではなくグループ別で撮るので時間がかかる。
- 混雑する時間だとたくさんの学校が入り乱れて場所を確保するだけでも大変。
- カメラマン同士で譲り合って(隙を見て)撮影するが、外国人観光客が遠慮なく前に入って被ってくるので余計に時間がかかる。
- 添乗員さんとの連携がポイント。慣れた添乗員さんは場所を確保してサポートしてくれる。
- ここで時間がかかると次の旅程が狂ってくるからカメラマン全員が必死の形相。
清水寺
- ここも間違いなく混雑スポット。
- 集合写真は入口門前で順番待ちはあるが撮りやすい。
- 「音羽の滝」は全員撮影必須ポイントなので時間がかかり、あとの撮影スポットでバラバラになると大変。
- 昼食後に門前町でグループ別行動になるが、生徒の顔が覚えきれていないので探すのが大変。撮りこぼしが有りそうで怖い。
- 最後の集合場所で人力車をバックに撮影して辻褄を合わせる。
同じ旅館で泊まりますが夜には先生方の反省会とか、とても忙しくてご苦労が少しだけわかりました。
生徒は楽しいだけでしょうが、同行する大人はたいへんなのです。
おあとがよろしいようで
高校野球の地方予選の撮影とか、他にもいろいろありますが、またの機会にお話ししますね。
それでは 皆さん ごきげんよう
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