AMD製CPUの消失!?「すっぽん」対策部品紹介～IFE2～

自作PCを作っているとCPUをより高性能なものに交換したり、もっと冷えるCPUクーラーに交換したりする作業のために、頻繁に「CPU」を取り外す作業を行います。
この時CPUの上にある「CPUクーラー」を外さないと作業できません。
このCPUが「AMD製」だと「すっぽん」という事故がかなりの高確率で発生します。
「すっぽん」を防ぐためのパーツが「IFE2」です。

「すっぽん」事故とは
対策部品あります
おあとがよろしいようで

「すっぽん」事故とは

AMD製のCPUはマザーボードの「CPUソケット」に、CPU裏面のたくさんの端子を差し込んでロックで挟んで固定しています。

このCPUの表面に「シリコングリス」を適量塗布し、その上に「CPUクーラー」の平らなヒートシンクをのせて熱がよく伝わるようにしてネジなどで圧力をかけて固定します。

何らかの理由でCPUクーラーを外したい時シリコングリスが粘着して強力に張り付いている場合などに、無理にクーラーを外そうとすると端子を挟んだロックが抜けてCPUがソケットから外れてCPUクーラーの裏側に張り付いたままになってしまいます。

また、熱をよく伝える(熱伝導率が高い)高価なシリコングリスは粘り気が強いので張り付きやすいと言われます。
CPUクーラーを外す作業をする前にPCを使ってCPUとシリコングリスを温めて柔らかくすると「すっぽん」しにくいとも言われています。

このようにCPUがソケットから抜けてしまう様子がビンの栓が「すっぽん」と抜ける様子と似ていることから「CPUがすっぽんした」「すっぽん」と呼ばれているようです。

この時にCPUのピンが曲がったり折れたりすると、そのCPUは使えなくなります。
ピンが少し曲がった程度なら「細いピンセット」などを使って直せる場合もありますが、ピンが折れた場合は別のCPUからピンを移植するなど高度な技術が必要ですので簡単には出来ません。
つまり、「すっぽん」すると高確率で高価なCPUが使えなくなってしまうということです。

ちなみに、intel製のCPUの場合、CPUを取り付けとき直接フレームで固定するような構造になっているので「すっぽん」は発生しません。

AMDも次に変わるソケットで何らかの対策をしてくれると思いますが・・・。

対策部品あります

いつも見ているYouTubeチャンネルで複数の人が紹介していましたので知っている人も多いかとおもいます。

「ProArtist IFE2 AM4専用CPU抜け止め予防ブラケット」という品名で販売されていました。
お値段は2021年07月14日時点で580円でした。

Amazonの販売リンクはこちらです。

ProArtist　プロアーティスト〔冷却アクセサリー〕 AM4用固着防止ブラケット IFE2
価格：645円（税込、送料別) (2021/10/25時点)楽天で購入

中身はこんな感じです。
説明書も何も入っていませんでした。
「分からないなら使わないで」的な雰囲気です。
CPUクーラーによっては無加工では使えない場合もあるようです。

黒いフレームの中の四角い部分のサイズがCPUの上部金属部分が出るサイズです。
この部分のフチでCPUの基板部分を押さえて固定するようです。

実際の作業ですが、PCの電源を入れて何かの作業をしてCPUとシリコングリスを温めて柔らかくします。
電源ケーブルなどを外して各種ケーブルを外し、ネジを取ってCPUクーラーが外せる状態にします。
今回までに3回「すっぽん」経験がありますので、慎重に「こねこね」とCPUクーラーをずらして、よっこらしょとCPUクーラーを外したのですが、CPUソケットに「CPU」がありません。

あーーーーーーっ、またやっちまったよ。

重たいCPUクーラーをひっくり返してみると、そこにCPUが張り付いていました。
長くは無い自作PC歴の中で「4回目のすっぽん」で御座います。(涙目)

ああっ、私の事はこれから「すっぽん大魔王」と呼んで頂いてかまいません。

恐る恐るCPUのピンを確認しましたが、曲がりや折れは無いようでした。
気を取り直して作業再開。

CPUクーラーの取付金具を撤去します。